免税店紹介 箱根 湖尻ターミナル

voice 2018/4/1

神奈川県の代表的な観光地 箱根

今回のボイスコーナーにてご紹介するのは、神奈川県の誇る一大観光地箱根にあるお土産店の湖尻ターミナルさんです。伊豆箱根鉄道株式会社さんが経営する土産店で、毎日たくさんの観光客の皆さんが食事やショッピングで訪れるお店です。同社は箱根関所横にももう1軒の店舗(旅物語館)を運営し、いずれも免税販売をしていらっしゃいますが、今回は特に免税対応数の多い湖尻ターミナルさんをご案内します。今回は店頭で実際に販売実務の担当の女性スタッフから話を伺いました。

湖尻ターミナル

免税検討開始

大きく制度改正が報じられたのが2014年春でしたが、その頃は実は箱根地域には免税店が全くありませんでした。箱根地域にある他のお土産事業者が企画した地域の免税勉強会に参加し、そこから免税検討が始まりました。当社では3つの店舗を免税店にしようということが決まり、その一つにこの湖尻ターミナル店が決まりました。場所柄団体客が中心で、来場者のほとんどが団体の昼食休憩が目的です。

当店ではお菓子などの消耗品が多いため、検討段階ではインバウンドのお客様が当時のルールである5,001円以上を果たして買ってくれるのかという声もあったのですが、それまでは外国人向けの店内POPなどを利用した販売促進はしていなかったので、販売強化をしていこうということでアクセルを踏んでいくことが決まりました。

当店は神奈川県箱根にあるのですが、本社は静岡県三島市なので申請税務署も三島税務署でした。当時はまだ三島地域からの免税店申請は税務署には届いておらず、税務署の認可も勉強会での話どおり1か月ほどで下りました。

販売開始に向けた準備は?

当初は1日に来店するインバウンドのお客様の人数はおよそ400~500人程度でした。関西エリアから入国するお客様は大阪の某有名大手テーマパークへの訪問が増えていた頃で、箱根地域には主に成田からの入国者が中心でした。

いろいろな準備をしなければいけないと考えていましたが、やはり免税するという実際の作業上、清算システムであるPOSの改修作業を検討しました。それまで使っていたPOS提供会社の方に相談し、免税機能を追加して清算が楽にできるようにしました。免税書類作成も手書きでは大変と聞いていたので、パスポートリーダーを使ったシステムの導入を検討しました。当時は免税販売がどのくらいになるのか全く予想できなかったので、本社は心配だったでしょうね。今から思えばしっかりと準備しておいて良かったと思います。

免税検討開始

店内外の表示もどんどんと外国の方に目立つようになり、今では外の駐車場からでもすぐわかるように「TAXFREE」の看板が掲げられています。

いざ開始したら、なんと!!!

免税販売を開始したのは2015年の2月で、ちょうど2014年10月に制度改正がされ、その後の春節に合わせて開始しました。

いざ開始をしたら、これまで課税で買ってくれていたインバウンドのお客様はほとんどが免税を希望され、とんでもないことになりました。開始したころは1日に300件ほどの免税販売があり、てんてこ舞いだったのを覚えています。パスポートリーダーのシステム1台で開始したのですが、とてもそれでは足りずにもう1台の緊急追加申込をしました。それくらい需要があったんです。でも外国のお客様は私たち店員と同様に免税に関する知識がまだ充分でなく、当時は100円だけ買っても免税になると誤解するお客様もいらっしゃり、戸惑うこともありました。

その後、6月に大涌谷の噴火が起こり、箱根地域からはお客様が減ってしまい、免税も少々落ち着くようになりました。

インバウンドショッピングの様子

当店に来店されるインバウンドのお客様は、中国本土、台湾、韓国、ベトナムの順です。免税システムを使って国籍をしっかりと理解するようになって初めてわかりました。

国ごとで売れる商品が全く異なることもわかり、陳列している棚にはしっかりと外国語の表示をしています。掲示の効果があるのか、今でも中国本土の方の購入額が突出して高い状況です。特に単価の高い化粧品に人気が集中していることもその理由だと思います。寒くなるとタイのお客様などは防寒具をたくさん購入されることもわかり、ニットの帽子や手袋、マフラーをレジの前に目立つように陳列しています。

その他、地域的に人気があるのは箱根をイメージさせるものや富士山関連のもの、以前このボイスで紹介されていたマグネットやこけし、お箸なども人気でまとめ買いがあります。食べ物ではイチゴ大福が人気ありますね。

マグネットは日本人にも売れるので「箱根」と漢字で書いてあるのですが、外国の方がお土産にするにはアルファベットの方がわかりやすいらしく、「HAKONE」と書かれている方が人気があります。

また、最近話題の電子決済のひとつであるWeChat Payもご利用いただけるようになりました。クレジットカード、現金以外にもお客様の希望する支払い手段に対応できるようになっています。

現在の免税販売の様子は?

「開始した頃は1日に300件もあり、スタッフも慣れていなかったこともあって戸惑うこともありましたが、今ではもうみんな慣れたものです。世の中の報道でもショッピング熱が収まったと言われていますが、当店も当初の状況とは変わりました。それでも1か月に300件以上はあるので、免税販売は売上には大きく効果があると思います。」

見せていただいたのは、分厚く綴られた購入者誓約書。写真で見てもその多さにビックリです。

免税検討開始

免税手続時間は大きく削減されてはいますが、それでも団体バスの出発時間間近になると、「早くしてくれ!」と急かされることもあるそうです。そのような状況になると、免税手続をせずに値引き販売に切り替えてしまうお店も世の中には相当数あるでしょうが、こちらでは決して値引きはしないそうです。急かすお客様やツアーガイドの声を上手くかわしながら免税手続を完了させているそうで、頑張って収益を減らさない努力をされています。

今後の免税販売は?

今年の制度改正は一般物品と消耗品の合算だと聞きました。その場で使いたいから買うお客様への対応を検討しなければならないですね。合算する場合は一般品も密封包装しなければならないそうなので、「寒くてその場で使いたい手袋やマフラー」は一般物品なので合算する免税はできないでしょう。一般物品だけで5,000円まで届かせるようにする工夫をしないといけません。

インタビューを終えて

都内中心部にあるような個人客が歩いてやってくる店舗と違い、観光地の大型土産店は郊外にあって団体バスを中心に対応するような例が多くあります。自由に買っていただける時間がある団体であればよいですが、食事をしたらほとんど自由な時間がないという過密スケジュールという場合もあります。ですから団体中心のお店は都内中心部のお店よりも更にスピーディに対応することが望まれます。

こちらの湖尻ターミナル店様はしっかりと対応準備をした上で販売開始をされました。免税の事業者相談にのっていると、「売れるかどうかわからないことに投資はできない」という声をよく聞きます。伊豆箱根鉄道さんはその考え方に逆らって先行投資をし、大成功したパターンでしょう。「売れるものがわかればそれを仕入れた上で免税販売を開始する」という声も聞きますが、これも「何が売れるかわからない状況から販売をし、自ら売れ筋商品を調べた」努力が光ります。これからもその積極的な姿勢でどんどん業績を伸ばしていただきたいと思います。

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