第2回目の岡山表町商店街の事例はお茶・茶道具専門店「ほんぢ園」さんをご紹介します。
お茶・茶具専門店「ほんぢ園」
お茶の「ほんぢ園」は、茶道具・抹茶・日本茶・健康茶の販売と、喫茶コーナーで抹茶を使用したスイーツを提供している表町で人気のお茶屋さんです。2015年5月の表町商店街の一括免税カウンター設置と同時に免税店になり、以来、日々インバウンド対応に切磋琢磨されています。
免税店になった経緯は?不安は?
商店街の一括免税店化に伴い、すぐに免税店として参画をしました。免税店化は社長の意向ですが、スタッフとして、最初は外国人客への接客は言葉の問題もあり、正直、抵抗感がありました。でも外国人客が増えていくにつれ、そうも言っておられず、いろいろと対応方法を工夫していくにつれ、ご購入いただけたらとても嬉しくなり、また買って欲しい!もっと接客を工夫したい!と思うようになりました。
免税店になって、工夫したことは?
まずは、「商品」について、外国語で注釈入りのお茶とお菓子のセットを作りました。レジ横に並べて、あと1品を後押しする人気の詰め合わせ商品です。
「多言語表示」に関しては特に工夫しました。屋号”TEA SHOP”を作成、テイクアウト・割引など海外の方に喜ばれる施策に関してはすべてPOPを作成しました。もちろんTAX FREEのシンボルマークも入り口の目立つところに掲出しました。
「接客」については、海外の方にお勧めするお茶を決めてスタッフ全員で共有し、販売するようにしています。お茶の種類がたくさんありますので、その中から好みのものを選ぶのは大変です。煎茶などお茶初心者でも飲みやすいものや、抹茶など海外で人気のもの・・・と、お勧めをする順番を決めています。形状もLEAF TEA?TEA PACK?と簡単な英単語を覚えて対応しています。そしてお勧めと同時にご希望の方には試飲してもらっています。帰国後でもお茶を正しく入れていただけるように「入れ方のしおり」をご購入時に商品と同封しています。また、日本茶インストラクター協会提供の「英語の日本茶講座」を指差しシートとしてそのまま活用しています。
免税店になった効果は?
シンボルマークを掲出するようになって、欧米の方は入店が増えているように思います。逆にアジア系の方は一緒に掲出している10%オフの看板を見て入店されますね。アジアの方はどちらかというと喫茶だけ使用される方が多いです。また、テイクアウト品を用意してなるべく購入目的以外の方でも気軽に入店していただけるようにしました。他に抹茶体験のご案内も店前に大きく打ち出しています。「免税と割引」「テイクアウト」「抹茶体験」の3つで入店率はかなり上がったと思います。
その他、独自で取り組んでいることは?
免税店になってから、表町商店街からご案内をいただくインバウンドセミナーへは積極的に参加しています。その中で、「外国人向けのメニューを作る」「単語だけ、ジェスチャーだけでも接客ができる」「写真撮影をお勧めする」など飲食店でもすぐに実践できるエッセンスは取り入れています。PHOTO SPOTを店前に用意し、「PHOTO OK」とお伝えすれば、喜んで取って帰られます。その日のうちにホテルで写真をシェア、口コミしてもらえるので、翌日、お知り合いが来店されるケースもあったりするんですよ。
取材を終えて
ほんぢ園のスタッフの方の外国人観光客に対する取り組みは、インバウンド対応のお手本とも言えるくらいオールマイティで、非常に感銘を受けました。表町商店街にはもっとお客を呼び込む対策をうって欲しい、その先は個店の努力とのコメントもありました。今後も日々改善を重ね、さらに活気ある商店街を目指してがんばって欲しいと思います。