表町免税店取材記事・バッグ専門店「BOX」

voice 2016/8/23

岡山の表町商店街は、商店街中ほどに位置する地元百貨店天満屋と協力し、天満屋5階に、2015年5月に日本で初めてとなる免税手続きカウンター(一括カウンター)を設置しました。現在、30店舗ほどが手続委託型免税店として地元商店街の活性化に貢献しています。うち積極的な取り組みで効果を上げている2つの免税店への取組を取材しました。第1回目の今回はバッグ専門店の「BOX」さんをご紹介します。

バッグ専門店「BOX」

表町商店街の中ほどに位置するバッグ専門店の「BOX」は、メンズ、レディースと両方の種類を扱い、1フロアですべての商品を展開、品目数は実に2000~3000品目にものぼっています。表町商店街では、天満屋の一括カウンターを活用した手続委託型免税店になるための説明会を定期的に開催していますが、「BOX」は3度目に参加、免税店の登録をしました。

昨年(2015年)11月に免税店になったばかりですが、店長の上野剛さんは免税店への取組に対する志を非常に高く持たれていました。

バッグ専門店「BOX」

免税店になった経緯は?不安は?

昨年来より外国人が以前より頻繁に商店街に来るようになり、日本製のかばんを求めていました。ディスカウントやタックスフリーを要求されることもあり、対策として8%値引きの販売もしていました。ちょうどそのころ、表町が免税店の募集を行っており、まわりの免税店の事例を聞きながら申請をしました。1か月くらいでスムーズに申請は通りました。表町に8町ある商店街のうち、一括カウンターのある天満屋に距離的に近いというメリットと、やはり商店街は連携が重要ですので積極的に協力したいと思い、特に免税店になることに対するハードルはありませんでした。

手続委託型免税店になるにあたって、工夫したことは?

「BOX」から天満屋の一括カウンターまでの地図を作成しました。外国人客は免税手続きを店内でできると思いますので、手続きカウンターが違うということの説明が一番重要になります。地図を作成すると、レシートを指定の用紙に貼り付けて、あとはカウンターへの指さしのみでご案内完了です。だいたいご案内した方の9割くらいは一括カウンターへ行っているようです。あとは、店頭にタックスフリーの看板を出したり、天満屋より配布されたタックスフリーのロゴバッチを使ったりして、免税店であることをPRしたり、簡単な英語のフレーズとジェスチャーで対応しています。

免税店になった効果は?

月の成約件数は5~10件くらいで徐々に増えてきています。日本製のもの、日本人が海外に持っていくバッグや海外に店舗展開しているブランドが特に人気ですね。また、店舗スタッフが外国人客に対応するマインドがついたことも大きいです。日本製かどうかの表示や、材質の見本として使用前・使用後のサンプルを置いていますが、それ以外は接客を重視していますので多言語表記も特にはしていません。素材や材質の特徴など、簡単なフレーズを覚えて対応するようにしています。メーカーの方ともインバウンドに関する動向の話ができるようになり、意識して仕入れに反映しています。

今後の課題は?

地域の連携施策に加わりながら、免税店としての実績を周囲に伝えていくことが地域への恩返しになると思っています。外国人客にとっては免税店舗数がまだまだ少なくて、免税対応している店舗がどこにあるかもわからない状態です。積極的に免税店としての取組の情報発信をしていきたいと思います。

取材を終えて

地元の商店街に対する思いと、かばんに対する愛着と、地域と商品への思い入れが強い免税店でした。プロの接客対応に誇りをもって、必要最低限の対応でも外国人客へ販売できるということを、身をもって示されている店長とスタッフの方々。やはり商品の良さを伝えたいという強い思いがあってこそ、国籍に関係なく売上につながるのだと改めて感じました。
表町は免税商店街として一年を経て、免税申請~PR、情報共有と地域一丸となった連携体制を整備しています。手続委託型免税店のメリットである、自店で煩雑な免税手続きが必要ないため、各店十分接客に専念することができるようです。商店街が免税店化をリードし天満屋が環境を整備する中で、地域での交流が生まれ活性化される、表町商店街の挑戦はまだまだ続きそうです。

表町の免税店事例は次号へ続きます。

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